ごあいさつGREETING

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本会が一般社団法人リペア会として発足して本年4月で4周年を迎えました。この間、会員会社数は当初の10数社から5倍以上の60社を超える数となり、インフラメンテナンス事業の重要性が認識されるとともに、本会の活動も多くの企業と管理者の関心を得て活発化しております。今後は、国土強靭化関係予算の重点項目として挙げられている“インフラ老朽化対策のための戦略的な維持管理・更新の推進”への貢献が本会の重要な役割だと考えます。

また、この4年間において日本列島は、度重なる豪雨災害や地震災害により甚大な被害を受けました。国は重要インフラの緊急点検を実施し、防災・減災、国土強靭化のための3か年(2018年度~2020年度)緊急対策を実施することを決定しました。その中で取組むべき事業として、Ⅰ.防災のための重要インフラ等の機能維持対策、Ⅱ.国民経済・生活を支える重要インフラ等の機能維持対策、の2項目が重点化され2018年度から実施されています。本会としては、Ⅰ.に関連した「大規模な浸水、土砂災害、地震・津波等による被害の防止・最小化対策」、Ⅱ.に関連した、「陸海空の交通ネットワークの確保対策」への貢献が期待されています。いずれにしてもこれらの事業は3年間の短期間で終了するものではなく、本会でも今後も国土強靭化計画推進の中で継続的に実施すべき事業と考えます。

一方、地方自治体、特に基礎自治体である市町村においては、国土強靭化地域計画が未策定なところが多く対策が遅れているのが実情です。そこで国は令和3年度の予算要求に際してはインフラの維持管理の項目も含めて、国土強靭化地域計画の策定が要件化されました。本会としては、地方自治体の課題である予算、人材育成、技術力強化等の課題解決のために、フラットな連携の場の構築を目指したいと考えています。その連携の場は地域力の向上ならびに若者の地域定着に繋がることが期待されます。

さらに、本会が主催する構造物の補修・補強技士試験合格者に付与される構造物の補修・補強技士の資格は、昨年1月に国土交通省の登録民間資格に認定され、鋼橋・コンクリート橋の点検・診断の合計4部門において、専門的な技量を有する技術者としてこの分野において広く認知されるようになりました。本会の誇るべき成果であると考えています。今後は、民間企業だけでなく地方自治体職員等の資格取得者を増やすため、資格取得に関する勉強会の実施を含めて、さらに検討を重ねて参ります。

斯界の技術の進展を図ることが重要であることは誰もが認識するところであり、本会でも定例会等において会員各社の技術の交流と研鑽とを図っていますが、本当に良い材料、信頼のおける工法が普及し、急速な再劣化問題が起きないようにするためには、本会としてなすべきことが多くあると考えています。その一つが、国も推進している「事後保全」から「事前保全」への転換です。すなわち「待ちのメンテナンス」から「攻めのメンテナンス」への転換です。そのためには、産学官、そして民間企業、会員各社が参加したオープンイノベーションの場の構築による新技術開発やデータの積極的な取得並びに共有・利活用が不可欠です。この技術開発には、想定外の事態への対応に有効な「レジリエンスエンジニアリング」の手法を活用して取組んで参ります。

コロナ禍が社会の在り方を大きく変えようとしています。本会においても、Withコロナ環境下において伸びるフラットなつながりと攻めのメンテナンス技術の開発を理念の一つとして掲げています。施設管理者ならびに会員会社の皆様のご理解とご協力、新規参入会社の積極的な参画をいただきながら、社会の発展に寄与して参ります。今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い致します。

2020年(令和2年)6月

一般社団法人リペア会 会長

香川大学名誉教授

工学博士

白木 渡

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